編 章 節

第2款 相殺

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第505条 (相殺の要件等)
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

第506条 (相殺の方法及び効力)
相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
2 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

第507条 (履行地の異なる債務の相殺)
相殺は、双方の債務の履行地が異なるときであっても、することができる。この場合において、相殺をする当事者は、相手方に対し、これによって生じた損害を賠償しなければならない。

第508条 (時効により消滅した債権を自働債権とする相殺)
時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。

第509条 (不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

第510条 (差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止)
債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

第511条 (支払の差止めを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)
支払の差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない。

第512条 (相殺の充当)
第488条(弁済の場所)から第491条(元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当)までの規定は、相殺について準用する。


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